小悪魔と小天使の狭間で…。(前編)
思い出TOP
 高校最後の夏に、お泊りに誘われた。しかしそこで待ち受けていたのは、小さな悪魔と小さな天使の存在だった! 笑いすぎて筋肉痛になったあの夏を、私は忘れない……。(遠い目)

<登場人物紹介>

マリィさん
毎度お馴染み、卒業後も頻繁に会う友人。

マリ姉
マリィさんのお姉さん。姉妹揃って色白でかわゆい☆

ハガケンジ?(婚約者)
マリ姉さんの婚約者。ハガケンジに似てる。爽やか。

ノブくん(当時2歳)
マリィさんの弟。
ガレッジセールの川田に似ている。暴れん坊将軍。小悪魔。

そう、あれは高校最後の夏休みに送られてきた

1通のメールから始まった……。










以前、毎度お馴染みマリィさんと映画に行きました。


そこでは予約制で、マリィさんの地元の映画館なので、


並ぶ必要のないように予約をしてくださいました。


その際に必要な生徒手帳を渡したのですが、

それっきり……






返ってこない。







何かタイミングが掴めずに、ついに1ヶ月経ってしまったとある夏休み


別に使わないので良いんですけど、


映ってる写真が睨み気味だったので速く返して欲しかった。




メールでそのことを告げる。


そして数時間後、彼女からのメールにはこう書かれていました……。





マリィメール『8月X日ヒマ?』


(あー、うんヒマヒマ)←心の声



マリィメール『うちに泊まりにこない?』







(……!?Σ(゚ロ゚))




みなさん! すごいことですよ、これは。


だって、たかが形相の悪い生徒手帳を返すために、

うちに泊まってけよ☆って太っ腹も良いところですよ!!



さすがに自分、ビックリ。






しかしその時、わたしは一度断ってしまいました

何故かというと、去年も泊まりに行ったのですが、


めちゃくちゃ緊張した! と、


うちには泊まらせられないから悪循環!! と、思っていたからなのです。



すると……





マリィメール『その日、花火大会がやるから一緒に観ようと思ったんだ……』







いっ、痛ッ!!Σ(;ロ;|||



ものすごい罪悪感に耐えられず、ついにマリィさん宅にお邪魔する事になりました。


まさか……



まさかあんな数々の出来事が待ち構えてるとも知らずに……。









マリィ「あのね、その日にお姉ちゃんの婚約者の人が挨拶に来るんだ。それからその人の両親も来るの」



ワ、ワタクシすっごい邪魔者……?



しかしマリィさんもその中じゃ緊張するかもなので、特に気にしていませんでした。


そういえば以前、その婚約者さんが初めて挨拶に来たときのことを話してくれた事がありました……。



彼女の話によればこうです。それは、テレビのついたリビングで食卓を囲んでいたときのこと。

そのとき面白い番組がやっていて、彼女はそれを観ようとした。ところが、



そのテレビのすぐ隣には婚約者さんの姿が。



彼女がテレビを観ようと顔を上げると、何を勘違いしたか、

婚約者さんは、マリィににっこりと微笑みつづけたという。




つ、つらいよな、それはキツイぜ……。









とにかくそんなこんなで待ち合わせの駅に到着。


マリィに連れられて向かった先には……車?



???「(にっこり)」






そこで微笑んでいるお姉様はダレ――Σ(・ロ・)!?



マリィ「わたしのお姉ちゃんだよ」





マリィ2号―――!!Σ(゚△゚)



いや、本来お姉さんが1号マリィさんが2号か……。


い、言われてみればというか、雰囲気が似ていらっしゃる……

やっぱ姉妹2人とも可愛くて色が白い!!



少し長めの髪のお姉さんが、にっこりと微笑みながらこう言いました。






マリ姉「こ゛ん゛に゛ち゛わ゛」






声がおかしい―――!!!Σ(゚ロ゚|||




どうやら風邪を引いていたようで、声が枯れていたようです。



だ、第1印象オカマ声……。


さらに車に乗せていただくと、そこには




???「どうもこんにちわ(爽やかスマイル)」


ハ、ハガケンジ!!?




と、思ったらハガケンジによく似ていらっしゃる婚約者の方でした。


た、確かにこの方ににっこり微笑まれたらな……しかもテレビの横でだったら罪悪感が湧くかも……。


そしてさらに、そこに小さな人間の姿が。



そう、マリィさんの弟です。2歳! ここ重要!!



「あー、ノブくんだー♪」





ノブくん「う○ち」





!!?Σ(゚ロ゚|||



マリィ「これ、おしゃぶりって意味なんだよ(笑顔)」






なんで―――!!!Σ(゚□゚|||










こんなそんなで、いきなり予想もしなかった展開に、思わず緊張もほぐれました。


マリィ姉さんが車を離れている間、停車中の車の中では……。



何気ない会話をする2人の女子高生と、



ハガケンジに似た爽やかスマイルの婚約者と、



ひたすら「う○ち」を連発する幼児の姿が。



絶対おかしい―――!!Σ(・ロ・|||






何とか気を反らすために、様々なアイテムを提供するマリィさん




マリィ「ほらー、ノブ。携帯だよー」




しかし興味を示さないノブくん


マリィ「ほら、いいなぁ! 傘だよ〜!」




しかしあの3文字を繰り返すノブくん


マリィ「うわぁ、すごいなぁ。ノブ、ビニール袋だよ!」




だんだんアイテムがしょぼくなっています……。


マリィ「そうだ、おうち帰ったらアイス食べよう!」



しかしノブくんは相変わらず……



ノブくん「う○ち、うぁ○ち、あんち、あんぃち、あいち、あいちゅ……





………!?







ノブくん「アイスぅぅぅ!!」





せ、成功―――!!Σ(゚▽゚)



とりあえず禁止ワードを解除する事に成功!



一瞬にして車内は安全なワンシーンへと切り替わりました。(爽)


あぁこれで、車の外を通る方にも怪しい目で見られません!




が、しかし。世の中そううまくいきっこありませんでした。



徐々にノブくんの単語が怪しくなって行き……。




ノブくん「あいす、あいしゅぅ、あいしゅあ、あいしあ……



………!!?






ノブくん「アジアぁ―――!!」





ごめん、それ結構無理――!!Σ(゚ロ゚|||








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